助成事業事例

文化庁文化芸術振興費補助金助成事業令和4年度助成事業事例集

ライフ・イズ・クライミング!

株式会社シンカ(助成金額:4,140千円)

バリアフリー上映会1:国枝慎吾氏を招いてのバリアフリー上映会。
トークショーも即時字幕を聴覚障害向けにスクリーンに投影しました。

活動概要

映画「ライフ・イズ・クライミング!」(申請当時のタイトルは「Figure 8」)を製作しました。視力を失ったクライマーと視覚ガイドのアメリカでのクライミングの挑戦を描いた作品で、2023年5月より、新宿武蔵野館、恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座ほかで全国劇場公開を行いました。

左:バリアフリー上映会2:視覚障害や聴覚障害を持つ方も数多く来場され、終了後には小林さんと懇談されていました。
右:バリアフリー上映会3:テレビの取材も入り、映画を知っていただくきっかけをつくることができました。

助成を受けて

申請時点では、撮影は終わっていたものの、ポストプロダクションにかける予算がない状況でした。助成により、サントラを畠山地平氏に依頼することができ、5.1chでのミキシングなど劇場公開に足りるクオリティで仕上げることができました。また作品的にも視覚障害者、聴覚障害者向けに広く観てもらいたい内容で、聴覚障害者向けの字幕、音声ガイドは必ず制作したかったので、助成を申請しました。

音声ガイド収録:小林さん、鈴木さんが英語を話している部分の音声ガイドは、
自分の声で翻訳を当てることになり、収録を行いました。

助成の意義

音声ガイドを制作することができたことで、本作の主演である視覚障害者の小林幸一郎さんに、音声ガイド付きで映画を「見て」いただくことができました。小林さんからも「やっと本当に映画を見ることができた」と言ってもらい、中原監督も「小林さんに見せることができて、これでようやく映画が完成した」と安堵していました。一般上映前にも聴覚障害者向けの字幕、音声ガイド付きで「バリアフリー上映会」を開催。国枝慎吾さんを招いて、トークショーも行い、映画を誰もが見ることができる公益性をアピールできたと思っています。

今後の活動

本作については、劇場公開はいったん一通り終了しましたが、今後自主上映会を学校、団体など主催で行っていただけるよう働きかけていく予定です。また、音声ガイド、聴覚障害者用字幕を収録したDVDを制作、発売をすることにしており、全国の図書館などでも閲覧してもらえるようになる予定です。

株式会社シンカ

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    東京都渋谷区渋谷2-10-14 青山アルファビル3F
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  • Webサイトhttps://synca.jp