助成事業事例

文化庁文化芸術振興費補助金助成事業令和4年度助成事業事例集

NBAバレエ団「バレエリュス・ガラ」

一般財団法人 NBAバレエ団(助成金額:10,650千円)

撮影:千葉秀河

活動概要

NBAバレエ団は、埼玉県所沢市に本拠地を置く創立30周年のクラシックバレエ団です。
芸術監督:元コロラドバレエ団プリンシパルの久保紘一
バレエマスター:鈴木正彦・バレエミストレス:峰岸千晶
ダンサー:団員・ジュニアカンパニー合わせて約130名(半々規模)
大きなスタジオを持ち、日々レッスン、リハーサルに明け暮れるとても風通しの良いバレエ団です。

「バレエリュス・ガラ」は、バレエの多彩な世界を再認識することができる【レ・シルフィード】【アポロ】【ダッタン人の踊り】の3演目構成となっています。

バレエリュスの芸術プロデューサーであったセルゲイ・ディアギレフ生誕150年記念として、また永年NBAバレエ団の顧問としてバレエリュス作品復元という形でバレエ団へ貢献下さった薄井憲二先生へのオマージュとして、バレエ団の過去を振り返りました。

バランシン作品において難易度の高い【アポロ】にも、バレエ団として初めて挑戦いたしました。

冨田実里指揮、生のオーケストラによるショパン、ストラヴィンスキー、ボロディン楽曲の臨場感あふれる演奏とNBAバレエ団ダンサーのバレエが融合する舞台です。

幻想的なバレエ詩のロマンティック・バレエ【レ・シルフィード】を幕開けとし、バランシン初期の振付作品で見事な音楽と振付の融合作品【アポロ】、最後の【ダッタン人の踊り】で、男性ダンサーのスピード感溢れる力強い群舞と異国情緒たっぷりの雰囲気が観客の心を開放し、カーテンコールが鳴りやまない公演とすることができました。

撮影:千葉秀河

助成を受けて

生活を潤わす多彩な芸術文化が存在する中、バレエ鑑賞は、世間ではハードルが依然として高く、特にグランド・バレエ、高名なゲスト出演以外の公演は集客の苦労が常に伴います。

様々な方法を試みておりますが、提携が担保された集客力に強い都内劇場が無い状態で、高水準の公演を自助努力のみで行うことは現段階では難しく、振興会の助成申請を行っています。

今回の「バレエリュス・ガラ」は、日本において根強い人気のプティパバレエに代表される定番バレエとは異なるガラ公演です。

振興会の助成により、【アポロ】の振付継承者であるベン・ヒューズを招致しダンサーの育成を行い、生オーケストラ演奏での公演も可能となり、高いクオリティでの上演を実現することができました。

助成の意義

日本ではファミリー向けや古典作品の幕物の人気が高く、今回のようなガラ公演は自主公演で上演することが難しいため、助成をいただいたことで上演が叶いました。

「バレエリュス」は、バレエ史の中でも革命をもたらした伝説のバレエ団として現在のバレエ界に多大な影響を与えており、その作品に挑戦したことで、弊団ダンサーやご観覧いただいたお客様のバレエに対する視野や知見を広げる一助となることが出来たと考えています。

今後の活動

バレエを通じ、世の中に芸術水準の高い心躍る豊かな時間を届けること、新しい価値の創造に挑戦し、高い芸術的な水準の公演を行い、芸術的な価値と感動を観客に提供し続けること、そして、バレエダンサーと優秀なスタッフを育成し、また、バレエの教育・普及活動を行い、地域と国内のバレエ文化芸術の発展に貢献することを目指しています。

一般財団法人 NBAバレエ団