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国立劇場

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【文楽アメリカ公演】LAにて開幕!

5都市を巡る、国立劇場制作としては初の文楽アメリカ公演が9月28日(土)、ロサンゼルスのアラタニ劇場で満員の観客を迎えて開幕しました。


入場待ちの長い列ができたアラタニ劇場


公演は『伊達娘恋緋鹿子』より「火の見櫓の段」で始まりました。恋人を思う痛切なお七の気持ちが伝わる浄瑠璃や、櫓を登る人形の動きは初めて観る方にもぴったりで、ロサンゼルスのお客様を文楽の世界に引き入れました。




続いては、文楽人形の構造や三人遣いについての実演を交えた解説です。「火の見櫓の段」で、生身の人間さながらの動きに目を留めていたお客様はその仕組みや演技の秘密を知り、大いに納得されたようでした。目や眉が動く仕掛けは、その動きがコミカルに映ったのか笑いもおこり、また、喜怒哀楽の演技のデモンストレーションでは、変幻自在に遣う様子にため息も漏れていました。




そして休憩の後は、心中に向かうお初と徳兵衛の切ない姿が、文楽ならではの詩情を醸し出す『曾根崎心中』より「天神森の段」の上演です。




冒頭から奏でられる、二人の切羽詰まった心情を表すかのような浄瑠璃の響きに客席はじっと聴き入っていました。そして登場するお初と徳兵衛が、苦しい胸のうちや心中の決意を描いていきます。人形の魅力が引き出される美しい振付が、男鹿和雄氏による背景のアニメーションと一体となり、本公演ならではの『曾根崎心中』を作り上げます。






終演後には大きな拍手が送られ、2度目のカーテンコールはスタンディングオベーションとなりました。




会場のアラタニ劇場関係者からは、「この劇場の公演でスタンディングオベーションが起こるのは久々で、文楽公演が実現できて光栄に思います」とのコメントをいただきました。また、来場のお客様からは、「文楽は初めて観たが、人形の動きが細かくて素晴らしい」「来年、日本に行く予定なので、ぜひ文楽を観たい」といった感想も寄せられ、多くのお客様に文楽の魅力をお伝えできた開幕となりました。

文楽アメリカ公演は、10月12日(土)のテキサス州ヒューストンの公演まで続きます!