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国立劇場

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【9月文楽鑑賞教室】好評上演中、22日(日)まで!(舞台写真あり)

 初台の新国立劇場小劇場にて開催中の9月文楽鑑賞教室が7日(土)に初日を迎えました。
 ステージと客席が近い新国立劇場ならではの臨場感やAプロ・Bプロ・Cプロのトリプルキャストでお届けする9月文楽鑑賞教室。またとないこの機会をお見逃しなく!
 また、同じく新国立劇場中劇場では、9月歌舞伎公演『夏祭浪花鑑』を上演中。歌舞伎・文楽の競演をお楽しみいただけます。
 〈文楽鑑賞教室〉は初めての方にも分かりやすい解説付きで、文楽の名作や名場面をお手頃な価格でお楽しみいただける公演です。
 舞台写真とともに、みどころをご紹介いたします。


『伊達娘恋緋鹿子』(だてむすめこいのひがのこ)
 八百屋の娘お七による江戸時代に実際に起きた放火事件を題材にして、菅専助らの合作で安永2年(1773)4月に初演されました。
 恋人のために命がけで半鐘を打つお七の姿を描いた、短い時間で文楽の醍醐味をご堪能いただける一幕です。

〈火の見櫓の段〉
八百屋の娘・お七は、恋人が探している刀剣をようやく手に入れることができました。刀剣が見つからなければ切腹する覚悟をしている恋人のために、明日までに届けなければいけませんが、すでに時間は夜、町の木戸は閉まり通行することができません。


【Bプロ】『伊達娘恋緋鹿子』


【Cプロ】『伊達娘恋緋鹿子』

そこでお七は、火事を知らせる火の見櫓の半鐘を叩けば木戸が開くことを思いつきます。噓が分かれば重罪ですが、恋人の命を救おうと意を決します。
 凍てつく火の見櫓の梯子を、懸命に登る人形の動きにもご注目ください。


【Bプロ】『伊達娘恋緋鹿子』


【Aプロ】『伊達娘恋緋鹿子』

解説 文楽の魅力
 文楽は太夫・三味線・人形が一体となって作られる舞台芸術です。技芸員が実演を交えながらその魅力をお伝えします。


【Aプロ】『解説 文楽の魅力』


【Bプロ】『解説 文楽の魅力』


【Cプロ】『解説 文楽の魅力』


『夏祭浪花鑑』(なつまつりなにわかがみ)
 無頼の徒であったと言われる実在の人物・団七をモデルに、堺の魚売りが起こした事件を取り入れ、延享2年(1745)7月、大坂・竹本座で初演されました。作者は、本作の翌年から“三大名作”(『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』)を手掛けたヒットメーカーたちの並木千柳、三好松洛、竹田小出雲による合作です。
 盛夏の大坂を舞台に、市井で駆け回る俠客たちの生きざまが瑞々しく描かれた人気作です。

〈釣船三婦内の段〉
 大坂の俠客・団七九郎兵衛は、団七と義兄弟の契りを交わした一寸徳兵衛とともに恩ある家の玉島磯之丞を支えることに腐心します。磯之丞の恋人・琴浦に横恋慕する悪侍の手から逃れようと、磯之丞と琴浦は団七の友人である老俠客で釣船屋を営む三婦の家に匿われています。今日は高津宮の祭りの宵宮。三婦の家では、道具屋の娘と仲睦まじくなった磯之丞を琴浦が責めていますが、三婦の女房おつぎがそれをなだめています。
 家に帰ってきた三婦がひと休みしていると、徳兵衛の女房・お辰がやって来ます。お辰は、徳兵衛に先立って国許の備中玉島(現在の岡山県倉敷市)に帰るため、挨拶に立ち寄ったのでした。


【Aプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段


 それを聞いたおつぎはちょうどいい機会と、磯之丞を一緒に連れて行ってほしいと切り出すと、お辰は即座に引き受けます。しかし、磯之丞を若くて美しいお辰に預けることで、二人の仲に間違いがあっては、自分の立場がないと三婦は懸念します。


【Cプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段


【Bプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段

 するとお辰は突然、火鉢で熱せられていた鉄の棒を自分の顔に押し当てます。熱さと痛みに苦しむお辰でしたが、こんな傷がつけば三婦の心配もなくなるだろうと言います。お辰の覚悟に感じ入り、三婦も磯之丞をお辰に託すことにするのでした。


【Cプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段


【Aプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段


 三婦が一息ついて念仏を唱えていると、こっぱの権となまの八が琴浦を渡せと乗り込んできます。喧嘩を断っていた三婦でしたが堪忍袋の緒が切れて数珠を断ち切って投げ飛ばし、二人をあしらいつつ表へ出て行くのでした。
 そこへ、団七の舅の義平次がやって来ます。笠で顔を隠し、ここは危ないので他の場所へ移るよう団七に頼まれたと偽り、琴浦を駕籠で連れ出すことに成功します。入れ替わりに、団七と徳兵衛に諫められながら、三婦が戻って来ました。おつぎから義平次が琴浦を連れて行ったと聞いた団七は驚き、慌てて駕籠を追いかけます。
 大坂の夏祭りの風情が沸き立ち、俠客たちやその女房の心意気が描かれます。歌舞伎とともに団七縞、徳兵衛縞の衣裳にも注目です。


【Cプロ】『夏祭浪花鑑』釣船三婦内の段

 

〈長町裏の段〉
 三婦の家からも遠くない長町の裏手、祭り囃子がかすかに聞こえている中、義平次と琴浦を乗せた駕籠は先を急ぎます。団七がようやく義平次に追いつくと、行く手を遮られて腹を立てた義平次は、これまでの恩を並べ立て団七をなじります。じっと耐える団七は、金包みを見せて駕籠を戻すよう持ち掛けると、義平次はそれを承知して駕籠をもと来た道へ戻します。ところが、包みの中に入っていたのは金ではなく小石。金がないと知って憤った義平次は団七を打ち据え、雪駄でその眉間を割ります。


【Aプロ】『夏祭浪花鑑』長町裏の段


 初めは、舅である義平次の立場をはばかり堪える団七ですが、罵詈雑言にたまりかねて脇差に手をかけ……。
 団七と義平次のやり取りが2人の太夫による掛け合いの演奏で繰り広げられ、物語のクライマックスとなる凄惨な舅殺しへと向かいます。


【Cプロ】『夏祭浪花鑑』長町裏の段


【Bプロ】『夏祭浪花鑑』長町裏の段

◆◆◆

9月文楽鑑賞教室は22日(日)まで!

チケット好評販売中
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※残席がある場合のみ、新国立劇場にて当日券の販売も行っています。

夏祭セット割
令和6年9月歌舞伎公演(一般券)との同時購入で、令和6年9月文楽鑑賞教室、社会人のための文楽鑑賞教室(いずれも一般券)が1割引となるお得なセット割がございます。詳細はこちら

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