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36年ぶりの上演!「楊枝屋の段」(その1)

本公演で上演している「楊枝屋の段」は、山吹御前と駒若丸(木曾義仲の奥方と子)、腰元のお筆が鎌倉方に追われて逃げていく中の一場面ですが、緊張感とともに笑いを誘うユーモアが光るのが特徴です。

「楊枝屋の段」が上演されるのは、1988年以来、なんと36年ぶり!その浄瑠璃を勤める豊竹靖太夫と鶴澤燕三のコメントをご紹介します。


(左より)豊竹靖太夫・鶴澤燕三


Bプロ『ひらかな盛衰記』より「楊枝屋の段」

【豊竹靖太夫】
ー36年ぶりの上演となる珍しい段です。

靖太夫:久しぶりの上演ですが、取り組み方は他の演目と同じです。文章を読んで場面をどこまで頭の中に浮かべられるか、じっくり考えます。太夫では今はどなたもなさってないので、今後に繋がるようにしっかり語らないといけないと思いました。


ー初日からの舞台、語ってみていかがですか?

靖太夫:滑稽な場面に感じられますが、実際は山吹御前や駒若君が襲われそうになる大変緊迫した場面です。 また、以前までと違って長持に身を隠して暮らさないといけない暗い雰囲気を、亭主や猿によって和らげています。 後半は状況の説明が続きますので、お客様に分かりやすく語らないといけないと改めて感じました。


―お客様に一言お願いします。

靖太夫:お客様それぞれの楽しみ方で舞台をご覧いただくとして、私個人としては『ひらかな盛衰記』の中でお筆が好きです。今回は「義仲館の段」から「松右衛門内の段」までお筆がずっと出ていますので、艱難辛苦を抱えながらも前に進んで行く姿を追っていただくのも一つの見方かと思います。



【鶴澤燕三】
ー舞台で実際に演奏して手ごたえなどはいかがですか?

燕三:何年も出ていなかった段でしたので心配していましたが、素直に反応してくださるお客様に少し安心いたしました。笑いが起きるところもありましたし、何より最後の盆が回る時に頂いた親身な拍手が嬉しかったです。


ー昨年12月に続いて、シアター1010での2回目の文楽公演です。

燕三:まずは公演をさせていただいていることへの感謝です。ありがとうございます。
ここの舞台は、私自身、隣の太夫の声共々、自分の耳にはとても良いと感じています。ただ、客席からは、お座りになる場所によって聴こえ方に差がある、と仰る方もいらっしゃるようです。これについてはどこの劇場でも大なり小なりあることですね。


ーお客様に一言お願いします。

燕三:どこをどうお楽しみいただこうが、はたまた寝てしまわれようが、そこはお客様の自由だと常々思っています。ここをどうぞお楽しみください!とご案内して妙な偏見を植え付けてはいけません。どうぞ自由に、観たまま聴いたままをお楽しみいただけたら幸いです。楽しみ方は人それぞれです。



36年ぶりとなる「楊枝屋の段」をはじめ、文楽ならではの物語の楽しさをぜひシアター1010で体感してください!

5月文楽公演は27日(月)まで!

 

 

5月文楽公演は27日(月)まで!

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※残席がある場合のみ、シアター1010にて当日券の販売も行っています。

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