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そもそも『ひらかな盛衰記』って?(その2)
Q:そもそも、何で「ひらかな」(ひらがな)なんですか?
A:『源平盛衰記』を平仮名で読むようにわかりやすく書きました、という意味が込められているとされます。
とはいえ全五段の大作で、単なる「わかりやすい物語」という訳ではありませんが、浄瑠璃ならではの起伏あるストーリー展開や音楽的な面白さで、文楽の魅力を大いに楽しめる名作の一つです。
文楽に精通する作家の三浦しをんさんがその著書『あやつられ文楽鑑賞』の中で、
「松右衛門内より逆櫓の段」は、文楽の醍醐味がいっぱいつまったシーン。登場人物へのツッコミを炸裂させたり、的確な人物描写に涙したりと、観客は舞台を見ながら大忙しになる。
『ひらかな盛衰記』は、音楽的にも視覚的にも派手で楽しい場面があるので、文楽初心者にもおすすめの演目だ。
と評する『ひらかな盛衰記』。「ひらかな」が暗示するように初めてご覧になる方にも文楽の面白さが感じやすく、また馴染みのある方にも見ごたえある舞台となっています。
Q:「逆櫓の段」の「逆櫓」って・・・?
A:通常、船には櫓が後ろについており、後進するには方向転換する必要がありますが、そこですぐに逆方向に進めるように前方にも櫓を取り付けることを“逆櫓”と言います。そして松右衛門がこの逆櫓の操縦に精通していて、その家の前に松があることから、特集(1)でふれた”角書”の「逆櫓松」につながります。
また、屋島の合戦を前に、逆櫓をつけることを提案した梶原景時と、それを不要とした源義経が議論を戦わせたのが松の下だったという言い伝えがあり、「逆櫓乃松址」として大阪市福島区に碑があります(大阪市HPの「逆櫓の松跡碑」はこちら)。
5月文楽公演は27日(月)まで!
チケット好評販売中
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※残席がある場合のみ、シアター1010にて当日券の販売も行っています。
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