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そもそも『ひらかな盛衰記』って?(その1)

初段から五段目までの構成で、現在、上演可能な場面をすべて上演すると1日がかりになる大作で、その初演は浄瑠璃三大名作(『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』)よりも古く、元文4年(1739)でした。

『源平盛衰記』をベースに、木曾義仲とその残党にまつわる筋と、梶原源太景季の物語が交錯しています。角書(題名の上に主に2行で記される、主題や内容を暗示する文字)は「逆櫓松/矢箙梅」となっていますが、「逆櫓松」は前者を、「矢箙梅」は後者を象徴しています。ちなみに、『義経千本桜』の角書は「大物船矢倉/吉野花矢倉」です。


『ひらかな盛衰記』院本より(国立劇場蔵)

*院本……浄瑠璃の全段の詞章が収められた本。




今回は木曾義仲の奥方やその腰元、家臣、そしてある船頭一家に訪れるドラマを描く、「逆櫓松」の筋を中心とする初段から三段目までの構成です。5年ぶりの昼夜二部制での約4時間の上演時間を通じて、作品に込められた仕掛けや、細やかに表現される登場人物の思いをご堪能ください。

中でも、最大の山場ともいうべき「松右衛門内の段」の切場は当代の浄瑠璃を代表するコンビの1つ、千歳太夫、富助が情愛の深さで聞かせ、玉男の樋口次郎兼光はスケールの大きさが定評のあるところです。また、この前段にあたり哀切な調べで知られる「笹引の段」は第一人者・清治の三味線で呂勢太夫が情感たっぷりに語り、腰元お筆の和生ともども、適役揃いでお届けします。

ぜひこの機会に『ひらかな盛衰記』の魅力にふれてみませんか?

ご来場、お待ちしています!

 

5月文楽公演は27日(月)まで!

チケット好評販売中
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※残席がある場合のみ、シアター1010にて当日券の販売も行っています。

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