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えほんたいこうき絵本太功記
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だんごうり団子売
口上
襲名披露狂言わだかっせんおんなまいづる和田合戦女舞鶴
つりおんな釣女
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ごしょざくらほりかわようち御所桜堀川夜討
ぞうほおおえやま増補大江山
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第一部午前11時開演(午後2時終演予定)
光秀の謀反と一族の悲劇
えほんたいこうき絵本太功記
尾田春長(織田信長)は武智光秀(明智光秀)の逆心を疑い、二条城での勅使饗応の際、光秀の独断を口実に小姓の森の蘭丸に折檻させます。屈辱に堪えての光秀の諫言に、怒りを募らせた春長は光秀父子を館から追い出すのでした。
千本通の屋敷で待つ妻操の元に、光秀と息子の十次郎が戻ってきます。事情を聞いた家臣四王天田島頭は蘭丸を討とうとしますが、春長の気性を知る光秀はそれを止めます。しかし、春長の使者から真柴久吉(羽柴秀吉)の中国征伐への出陣と事実上の領地没収の沙汰を告げられ、光秀は諫める老臣九野豊後守を討って、謀反を決意するのでした。
光秀の母さつきは息子の反逆が許せず、屋敷を出て尼ヶ崎に隠棲しています。ご機嫌伺いにやってきた操と十次郎の許婚である初菊に、さつきは姑孝行よりも夫につくすべきであるとすげない態度を取ります。一夜の宿を頼む旅僧に続き、初陣の許しを得るために現れた十次郎は、祖母の勧めにより初菊と祝言を挙げ、討死の覚悟を胸に出陣するのでした。
光秀は旅僧を久吉とにらみ、風呂場の人影をめがけて竹槍を突き込みます。ところが、深手を負ったのはさつきでした。命懸けの母の諫めにも、主殺しの罪の深さを責める妻の言葉にも、光秀は耳を貸しません。しかし、戦場から戻った十次郎の瀕死のありさまに皆の嘆きが高まると、こらえきれずについに涙を流すのでした。
第二部午後2時30分開演(午後5時30分終演予定)
夫婦円満・子孫繁栄を願って
だんごうり団子売
商売道具を担いで町中を流して歩く仲の良い団子売の夫婦が、杵と臼とを夫婦になぞらえ、子孫繁栄を願って踊ります。
忠義心と母心――女武者板額の葛藤
襲名披露狂言わだかっせんおんなまいづる和田合戦女舞鶴
鎌倉時代初期の和田義盛の反乱、「和田合戦」が起こらぬように苦心する人々を描く演目です。将軍源実朝の妹斎姫に横恋慕した荏柄平太は姫を討って姿を消し、平太の妻綱手は息子の公暁丸とともに、実朝の母政子尼公の館に匿われています。浅利与市の妻で武芸に優れた板額は館を守る役を引き受け、実朝が送った御家人の子供たちの軍勢の中に、息子の市若丸の姿がないことに気を揉みます。
遅れて現れた市若丸は、父から公暁丸の首の受け取りを命じられたと告げ、板額はその兜の忍び緒が切れていることを不吉に思いつつも館に招き入れます。初陣の我が子に手柄を立てさせたい板額は、政子尼公に公暁丸の首を打つよう迫りますが、実は公暁丸が先将軍頼家の遺児であると明かされます。尼公から公暁丸の命を助けるように頼まれた板額は、与市の狙いを理解し、一間に忍ぶ市若丸に自身が平太の実子であると思い込ませようと芝居を打ちます。実は主殺しの子であったとの母の言葉に市若丸は武士として潔い最期を遂げるのですが……。
初代若太夫が初演し、十代目が襲名披露狂言に選んだ本演目に新若太夫が挑みます。国立文楽劇場開場四十周年を機に、八十四年ぶりに復活する端場(切場の導入部分)の上演にもご期待ください。
妻を娶るに悲喜こもごも
つりおんな釣女
狂言『釣針』を歌舞伎舞踊にし、さらに文楽にうつした作品です。独身の大名と太郎冠者主従は妻を授かろうと西宮の神社に参詣し、お告げにより釣竿を得ます。大名が美女を釣り上げたのを見て、太郎冠者も釣糸を垂らすのですが……。
第三部午後6時15分開演(午後8時25分終演予定)
弁慶の目にも涙
ごしょざくらほりかわようち御所桜堀川夜討
平家討伐の功績を挙げた源義経は、平家一門の卿の君を正妻に迎えたために兄頼朝から謀反の疑いをかけられ、妻の首を差し出すよう命じられます。卿の君を預かる侍従太郎は、義経の使者として現れた武蔵坊弁慶に、身代わりを差し出すことを提案します。腰元信夫は、主人への恩義に報いようと身代わりになることを受け入れますが、母のおわさが許しません。おわさは、十八年前に一夜の契りを交わした稚児が信夫の父親で、証拠の片袖を手に、娘を父親に引き合わせたいのだと訴えます。するとその時、物陰から弁慶が信夫を刀で刺し貫きます。動転するおわさに、弁慶は身につけている片袖のない振袖を示し、自分が信夫の父親だと明かすのでした。
名刀髭切が鬼を討つ!
ぞうほおおえやま増補大江山
京の都では、恐ろしい鬼が人を連れ去るため、夜になると人通りが絶えています。源頼光の家臣渡辺綱は、鬼退治のために一条戻り橋までやってきました。そこに現れた若い女を鬼だと見抜いた綱は、正体を顕すよう詰め寄ります。観念した鬼は異形の姿となって綱と激しく争いますが、ついには名刀髭切で腕を落とされ、空へと消えていくのでした。