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日本芸術文化振興会について

目的・事業

独立行政法人日本芸術文化振興会は、我が国古来の伝統芸能の公開、伝承者の養成及び調査研究並びに我が国における現代舞台芸術の公演、実演家の研修及び調査研究を行い、その保存、振興又は普及を図るとともに、日本全国の文化芸術活動に対する援助を行い、芸術その他の文化の向上に寄与することを目的としています。

1.文化芸術活動に対する援助
(1)芸術文化振興基金による助成金の交付
(2)文化芸術振興費補助金による助成金の交付
2.伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演
(1)伝統芸能の公開
(2)現代舞台芸術の公演
3.伝統芸能の伝承者の養成及び現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修
(1)伝統芸能の伝承者の養成
(2)現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修
4.伝統芸能及び現代舞台芸術に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用
(1)伝統芸能に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用
(2)現代舞台芸術に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用
5.劇場施設の貸与
6.日本博の運営・実施
(1)主催・共催型事業の実施
(2)公募助成型事業の実施
(3)参画プロジェクトの認証
(4)「日本博」の国内外に向けたプロモーション

1.文化芸術活動に対する援助

すべての国民が文化芸術に親しみ、自らの手で新しい文化を創造するための環境の醸成とその基盤の強化を図る観点から、平成2年3月に芸術文化振興基金が創設され、平成2年度から助成事業を開始しました。また、文化庁の助成事業(文化芸術振興費補助金)のうち、芸術団体の公演活動等を対象とするもの及び映画製作に関するもの(平成21年度~)、劇場・ 音楽堂等を対象とするもの(平成30年度~)、国際的な実演芸術の公演活動に関するもの(平成31年度~)が、当振興会に移管されました。当振興会では、これら補助金による助成と芸術文化振興基金による助成とを一体的に運用しています。(詳細については、芸術文化振興基金をご覧ください) 芸術文化振興基金及び文化芸術振興費補助金による助成金の交付対象活動は、毎年度公募を行い、審査の上で決定します。助成金の交付を適正に行うため、理事長の諮問機関として芸術文化振興基金運営委員会を設置しています。同運営委員会には、舞台芸術・美術等、映像芸術、地域文化活動、文化財の4つの部会を置き、更にその下に14の専門委員会を設置して、各分野の実情や特性等を踏まえた審査を行っています。 また、文化芸術への支援策をより有効に機能させるため、 音楽、舞踊、演劇、伝統芸能・大衆芸能、調査研究の各分野の専門家であるプログラムディレクター及びプログラムオフィサーを配置し、その専門的な知見を生かして、専門委員会等における審査、公演等調査等を基にした評価及び調査研究等の充実を図るとともに、芸術団体等への助言や意見交換等を行っています。 ほかにも、文化芸術活動に対する援助の中核的拠点として、文化芸術活動へ助成を行う民間助成団体に関する情報を収集し、データベース化やホームページを通じた情報提供等を行っています。

(1) 芸術文化振興基金による助成金の交付

芸術文化振興基金は、政府からの出資金541億円及び民間からの出えん金159億円の合計700億円を原資として、その運用益により助成を行っています。対象となる活動は、以下の3つです。

  • • 芸術家及び芸術団体が行う芸術の創造・普及活動
  • • 地域の文化振興を目的として行う活動
  • • 文化に関する団体が行う文化の振興、普及活動

(2) 文化芸術振興費補助金による助成金の交付

文化庁から文化芸術振興費補助金の交付を受け、それを財源として以下の活動に対し、助成を行っています。

  • • 我が国の芸術団体の水準向上及びより多くの国民に対する鑑賞機会の提供を図る優れた舞台芸術の創造活動
  • • 国際的な実演芸術の公演活動
  • • 劇場・音楽堂等の機能強化等に資する活動
  • • 優れた日本映画の製作活動

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2.伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演

(1) 伝統芸能の公開

国立劇場国立演芸資料館(国立演芸場)国立能楽堂国立文楽劇場及び国立劇場おきなわの各劇場場において、歌舞伎、文楽、舞踊、邦楽、雅楽、声明、民俗芸能、大衆芸能、能楽及び組踊等沖縄伝統芸能など多岐にわたる伝統芸能の公開を行っています。 公開については、周到な調査と準備を重ね、多種多様な演出や技法を尊重し、伝承のままの姿で実施するよう努めてい ます。歌舞伎では、物語の展開を理解しやすいよう筋を通した「通し狂言」での上演を旨とし、文楽では「通し狂言」や見せ場を中心に複数演目を並べる「見取り狂言」等を上演してい ます。その他のジャンルの芸能についても、様々な流派を一堂に集めての上演、一つのテーマに沿った複数の演目の上演等、国立劇場ならではの公演を積極的に行っています。さらに、上演の途絶えている優れた演目等の復活や伝統的な演出や技法をより発展させる試みとしての新作の上演にも取り組んでいます。 伝統芸能の鑑賞者を増やすため、様々な工夫も行っています。例えば、能楽では、能一番、狂言一番による番組を原則とし、初めての人にも鑑賞しやすい形態をとっています。また、 伝統芸能を次世代に伝え、新たな観客層の育成を図るため、 青少年や社会人等が低廉な料金で伝統芸能の魅力に触れることができる鑑賞教室を、歌舞伎、文楽、能楽及び組踊等沖縄伝統芸能の各分野で実施しています。加えて鑑賞教室では、 外国人向けに鑑賞機会を提供し、国際文化交流の推進に寄与 するため、英語による解説と親しみやすい演目により構成するDiscover 公演を各分野で実施しています。 さらに、各地の文化施設等における伝統芸能の鑑賞機会の充実や舞台映像の動画配信にも努めています。

(2) 現代舞台芸術の公演

新国立劇場では、主催公演として国際的に比肩しうる高い水準のオペラ、舞踊(バレエ、現代舞踊)、演劇等を自主制作により上演し、各年代、各層にわたる数多くの人々が広く現代舞台芸術に親しむ機会を提供しています。演目の決定及び制作は、オペラ、舞踊、演劇の各部門の芸術監督の責任と判断により行っています。 また、青少年等が現代舞台芸術に触れる機会を確保し、新たな観客層の育成と現代舞台芸術の普及を図るため、低廉な料金で青少年や親子を対象とした公演を行っているほか、全国各地の劇場等での芸術鑑賞の機会の幅広い提供や、舞台映像の動画配信を行っています。

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3.伝統芸能の伝承者の養成及び現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修

(1) 伝統芸能の伝承者の養成

伝統芸能は、無形の技であり、人から人へと伝承されるも のです。そのため、当振興会では、国立劇場設立当初から、伝統芸能を長期的な視点に立って保存振興し、伝承者を安定的に確保するため、伝統芸能伝承者の養成事業に取り組んできました。 歌舞伎については歌舞伎俳優及び歌舞伎音楽( 竹本、鳴物、 長唄) の、文楽については太夫、三味線及び人形の、大衆芸能については寄席囃子及び太神楽の、能楽についてはワキ方、 囃子方及び狂言方の、組踊については立方及び地方の伝承者について、各分野の実情を踏まえ関係団体の協力の下養成を行っています。 養成研修は、 重要無形文化財保持者等の実演家が講師として実技指導するほか、 講義や発表会等の実践的、体系的なカリキュラムを組み、2 ~ 6 年間をかけて行われます。研修修了者は、舞台出演の経験を重ね、伝統芸能の保存及び振興に大きな役割を果たしています。 また、振興会では、研修修了者など若手伝承者を中心に、日頃の研鑽の成果を披露し、一層の技芸向上を図るため、既成者研修発表会等を実施しています。

(2) 現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修

現代舞台芸術の人材育成についても、高い技術と豊かな芸術性を備えたオペラ歌手、バレエダンサー、俳優等次代を担う実演家の研修事業を行っています。これらの実演家養成のため、国内外から招聘する経験豊富な講師による指導のほか、知識や教養を身につけるための講義等を行う多彩なカリキュラムを組み、プロフェッショナルとして通用する人材を輩出しています。

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4.伝統芸能及び現代舞台芸術に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用

(1) 伝統芸能に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用

伝統芸能の公開等の充実に資するとともにその理解と促進を図るため、調査研究及び資料の収集を行い、その成果を公演等に活用し、研究者や一般等にも幅広く提供しています。 公演や展示の実施に当たっては、 過去の公演記録・収蔵資料等を調査した上演資料集や展示図録等を作成しています。調査研究においては、 日本各地の演劇興行等に関する記録や伝統芸能に関する古文献等の調査、復刻及び刊行、主催公演等の録画、録音、写真等による記録作成及び保存を行っています。それらの成果は、各劇場及び伝統芸能情報館の展示、視聴又は図書閲覧のための施設等で公開しています。ま た、公開講座や公演記録映像の動画配信等による伝統芸能の普及活動も積極的に行っています。このほかに、文化デジタルライブラリーではインターネットを通じて伝統芸能の教育用コンテンツ(舞台芸術教材)、主催公演の公演記録情報、 錦絵等の収蔵資料の画像等を公開しています。 (文化デジタルライブラリーhttps://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/

(2) 現代舞台芸術に関する調査研究の実施並びに資料の収集及び活用

我が国及び世界における現代舞台芸術の公演や作品について調査を行い、関係資料を主催公演の充実等に活用するとともに、現代舞台芸術の理解の促進を図るため、一般の利用に供しています。 新国立劇場内に設けられた情報センターでは、主催公演のプログラムや参考図書を閲覧できるほか、主催公演等の映像資料を視聴することができます。劇場内オープンスペースにおいても舞台装置模型や衣裳等の展示を行っています。また、千葉県銚子市の舞台美術センターでは、舞台装置や衣裳等の保管及び管理を行っています。さらに、公演記録映像の動画配信による普及活動を行っています。

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5.劇場施設の貸与

主催公演等で使用する期間を除いた日については、劇場施設を伝統芸能の保存及び振興又は現代舞台芸術の振興及び普及を目的とする事業等の利用に供しています。その際、舞台技術職員等が技術協力を行うほか、 舞台備品の貸出や受付・案内スタッフの手配等を行っています。 詳細については、劇場施設を利用するをご覧ください。

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6. 日本博の運営・実施

「日本の美」は、縄文時代から現代まで1 万年以上もの間、 大自然の多様性を尊重し、生きとし生けるもの全てに命が宿ると考え、それらを畏敬する「心」を表現してきました。 日本は、景観や風土を大切にし、縄文土器をはじめ、仏像などの彫刻、浮世絵や屏風などの絵画、漆器などの工芸、着物などの染織、能や歌舞伎などの伝統芸能、文芸、現代の漫画・ア ニメなど様々な分野、衣食住をはじめとする暮らし、生活様式において、人間が自然に対して共鳴、共感する「心」を具現化し、その「美意識」を大切にしています。 「日本博」は、東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、「縄文から現代」の「日本の美」を体現する美術展・舞台芸術公演・文化芸術祭等を、「日本人と自然」 という総合テーマの下、四季折々、年間を通じて全国で展開しつつ、日本の文化芸術の魅力を国内外に発信する事業で す。縄文時代から現代までの美術・文化財の展覧会、伝統芸能、現代舞台芸術等の舞台芸術公演、文化芸術祭等に関する企画・実施等と、国内外にわたり、訪日外国人等に対して戦略的なプロモーションに関する企画・実施等を行うため、平成31 年4 月より日本芸術文化振興会に日本博事務局が設置されました。 令和2年度からは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、万全の感染症対策を講じた上で全国にて展開しています。また、開催地での「リアル体験」と「バーチャル体験」を融合し、国内観光需要の喚起とインバウンド需要の回復に資するため、魅力あるコンテンツを国内外へ発信しています。

(1) 主催・共催型事業の実施

「日本博」の中核となる「総合大型プロジェクト」を、国、文化施設、民間団体等が共同で企画・実施します。また、「日本博」のテーマ及びコンセプトを加味した大規模な展示・公演等を「分野別大規模プロジェクト」として、全国的な活動を行う団体等が実施します。

(2) 公募助成型事業の実施

各地域や団体の特色のある企画を公募し、事業費を一部助成します。

(3) 参画プロジェクトの認証

各地域や団体の特色ある企画を公募し、「参画プロジェクト」として認証します。

(4) 「日本博」の国内外に向けたプロモーション

「日本博」として実施するプロジェクトの戦略的なプロモーションを企画し、体験型のプログラムを含めた文化コンテンツについて、オンラインメディア等の様々な広報媒体を用いて国内外に発信します。

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