紋章について

この国立劇場の紋章は、奈良薬師寺東塔の水煙より考案したものです。日本の伝統芸能の一大殿堂にふさわしい、天来の妙音を笙(しょう)・笛(ふえ)・琴(きん)・箜篌(くご)の楽器によって奏でる楽天女の姿を紋章の中心に配し、その周囲は、この六呂(りくりょ)の音律に乗って虹のごとく空にたなびく、六流の天女の霓裳(げいしょう)を表現したもので、国を代表する劇場の品位に似つかわしい優美と典雅をその主調としたものです。

吉田五十八
(建築家・東京芸術大学名誉教授)

国立劇場の紋章

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