平成29年12月歌舞伎公演

今様三番三

通し狂言 隅田春妓女容性

12月3日(日)~26日(火)梅の由兵衛 中村吉右衛門

見どころ・あらすじ

本年の悼尾を飾る十二月歌舞伎公演は、古風で華やかな長唄 舞踏『今様三番三』に続いて、義理と人情に厚い侠客〈梅の由兵衛〉の心意気と苦衷を描いた名作『隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛―』をご覧いただきます。
本年の悼尾を飾る十二月歌舞伎公演は、古風で華やかな長唄 舞踏『今様三番三』に続いて、義理と人情に厚い侠客〈梅の由兵衛〉の心意気と苦衷を描いた名作『隅田春妓女容性―御存梅の由兵衛―』をご覧いただきます。

主な出演者・配役

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ご観劇料

特別席 12500円(学生8800円)1等A席 9800円(学生6900円)1等B席 6400円(学生4500円)2等A席 4900円(学生3400円)2等B席 2700円(学生1900円)3等席 1800円(学生1300円)

チケットのお申し込み

予約開始 11月6日(月)午前10時~窓口販売開始 11月7日(火)午前10時~[営業時間 午前10時~午後6時]※窓口販売用に別枠でのお取り置きはございません。
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アクセス

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〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
TEL:03(3265)7411(代表)

通し狂言 隅田春妓女容性 三幕九場 ― 御存梅の由兵衛 ― 並木五瓶=作 国立劇場文芸研究会=補綴

義理と人情に厚い侠客〈梅の由兵衛〉の心意気と苦衷を描いた名作

大坂に実在した人物をモデルに様々な芝居が仕組まれ、江戸の男伊達(おとこだて)―俠客として描かれるようになった〈梅の由兵衛〉。その芝居の集大成とも言える初代並木五瓶(なみきごへい)の傑作です。時代と共に台本が洗い上げられ、大正から昭和にかけては初代中村吉右衛門が名演を残し、八代目松本幸四郎(白鸚)に引き継がれました。今回の上演にあたり、初代吉右衛門が磨き上げた台本を、原作も踏まえて〈通し狂言〉として新たに補綴し、当代吉右衛門が由兵衛に挑みます。忠義を貫き通す由兵衛の意気地と周囲の人々への情愛、そして、魅力あふれる多彩な登場人物によって織り成される人間模様の面白さをお楽しみください。

あらすじ

かつて下総(しもうさ)千葉家の重臣・三島隼人(みしまはいと)に仕えていた梅堀(うめぼり)の由兵衛―梅の由兵衛。隼人の許から盗まれた千葉家の重宝を探索するとともに、同じ家中の金谷金五郎(かなやきんごろう)と駆け落ちして芸者になった隼人の娘・小三(こさん)を請け出そうと、旧知の信楽勘十郎(しがらきかんじゅうろう)の助力も得て、金策に奔走していました。由兵衛は、重宝を隠し持つ源兵衛堀(げんべえぼり)の源兵衛、その一味の土手のどび六らの企みを見抜き、喧嘩口論を戒(いまし)める頭巾を脱ぎ捨て、悪事の究明に乗り出します。

一方、由兵衛の女房小梅(こうめ)は、米屋に奉公する弟の長吉(ちょうきち)に、密かに小三の身請(みうけ)の金の工面を頼みます。数日後、由兵衛は偶然、顔を知らない長吉と大川端で出会います。そして、思わぬ行き違いで義弟を殺め、金を奪ってしまいます―。志半ばで自訴の覚悟を固める由兵衛。夫の罪を小梅は引き受けようとします。そうはさせまいと、由兵衛は源兵衛と対決して重宝を取り戻し、小三と金五郎をめでたく国許へ帰参させます。

『絵本戯場年中鑑』
俳優の前で本読みをする並木五瓶
東京大学総合図書館蔵
(A00:霞亭:1030)

作者│初代並木五瓶
(1747-1808)

大坂の道頓堀の芝居町で生まれ育ち、20歳の頃に並木正三の弟子となる。安永元年(1772)に大芝居の作者となり、初代尾上菊五郎や初代嵐雛助のために執筆を行い、名作を次々に発表。京都・大坂の劇界の第一人者まで上り詰める。寛政6年(1794)、江戸に下り、中村座に代わって興行していた都座に迎えられる。その時、300両の下し金(契約金)を取ったと言われる。その後も、江戸三座で活躍、初代桜田治助とともに江戸の狂言作者の双璧を成す。

【主な他の作品】
『天満宮菜種御供(てんまんぐうなたねのごくう)』(安永6年[1777])
『金門五山桐(きんもんごさんのきり)』(安永7年[1778])
『五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)』(寛政6年[1794])
『富岡恋山開(とみがおかこいのやまびらき)』(寛政10年[1798])
四世鶴屋南北との関わり

五瓶が江戸に下ったとき、迎えられた都座には勝俵蔵こと南北がいた。時代物、世話物のいずれも得意な五瓶は、写実的に心理を描写しながらも、合理的で整然とした筋書きを展開した。五瓶の傍らにいた南北は、彼から大きな刺激を受けたことだろう。寛政7年(1795)には上方で大人気だった『五大力恋緘』を上演した。後に南北は、その書替えとして文政8年(1825)に傑作『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』を作る。

文化デジタルライブラリー
(舞台芸術教材)
「狂言作者 初代並木五瓶」
見どころ

「橋本座敷」で、由兵衛は、源兵衛やどび六を相手に堪忍できず、喧嘩封じの錣頭巾(しころずきん)を脱ぎ捨てます。由兵衛が心意気を見せるこの件は、前半の大きな見せ場です。小梅と長吉は、初演以来、一人二役でたびたび演じられ、今回も、「米屋塀外」ほかでその演出が踏襲されています。また、長吉が金の調達に悩む「米屋奥座敷」では、その心情が『ひらかな盛衰記』「神崎揚屋」の遊女・梅ヶ枝(うめがえ)に託されて描かれるなど、名作の趣向を巧みに採り入れています。そして、義弟と知らず由兵衛が長吉を殺害する「大川端」は、本作のみどころの中心になります。さらに「由兵衛内」で、由兵衛と小梅の互いを思いやる愛情は、源兵衛との達引や小梅の思わぬ行動を通して、鮮明に描き出されます。

  • 初代中村吉右衛門の梅の由兵衛と三代目中村時蔵の小梅(大正10年10月新富座)
  • 初代中村吉右衛門の梅の由兵衛(大正6年4月市村座)
写真/ 文化デジタルライブラリー
(ブロマイド『隅田春妓女容性』)
より
今様三番三 大薩摩連中 長唄囃子連中

古風で華やかな長唄舞踊

天下泰平を祈る能楽の〈三番叟〉を元に、歌舞伎で作られた数ある〈三番叟物〉の一つ。三番叟を女方の舞踊に仕立てた点が大きな特色です。通称「晒(さらし)三番叟」と言われるこの作品は、三番叟の舞に、川で布を洗う様を表現した〈布晒(ぬのさら)し〉の振りを組み合わせ、高い格調と溢れる躍動感を併せ持っています。父・四代目中村雀右衛門も手掛けた曽我二の宮(そがのにのみや)実ハ如月姫(きさらぎひめ)に、当代雀右衛門が扮して華麗に踊ります。

見どころ

箱根権現(はこねごんげん)に納められた源氏の白旗が行方知れずとなり、若武者たちが付近を探索。深夜、白旗を所持する曽我二の宮という女に出会います。神前に今様(平安時代末の歌謡)を奉納する者だと告げ、三番叟を舞い始める二の宮。怪しんで捕らえようとする武者たちを、長い白旗を勢いよく振って押し返し、ついに、平忠度(たいらのただのり)の娘・如月姫であると名乗り、正体を明かします。

振袖姿で軽快に踊る二の宮の三番叟が前半のみどころです。後半では、正体が露顕した二の宮が、盗み取った源氏の白旗を晒に見立てて華麗に振って、武者たちを押し返します。白旗を取り返そうとする源氏方の武者たちを相手に足拍子を勇壮に踏む姿も必見です。