歌舞伎公演ニュース

2018年2月8日

尾上菊之助が3月歌舞伎公演
『梅雨小袖昔八丈』への意気込みを語りました

 3月歌舞伎公演は、“芸の継承”をテーマに、『増補忠臣蔵(ぞうほちゅうしんぐら)』『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』を上演します。

 世話物を得意とする五代目尾上菊五郎のために河竹黙阿弥が書き下ろした『梅雨小袖昔八丈-髪結新三-』。五代目菊五郎が写実の演技で当たり役にした主人公の髪結新三を、六代目菊五郎が練り上げて持ち役にし、当代の菊五郎も継承しました。今回、菊五郎の監修の下、尾上菊之助が新三に初役で挑みます。
 公演に先立ち、尾上菊之助が意気込みを語りました。



尾上菊之助

 明治6年(1873)の初演で五代目尾上菊五郎が髪結新三を勤めた『梅雨小袖昔八丈』は、六代目、そして父(菊五郎)と、今日に伝わってきました。音羽屋の芸として本当に大切な演目です。今回は父の監修で、とにかく父の教えを守り、新三になれるように一所懸命稽古をしていきたいです。

 六代目が「“宗五郎”(魚屋宗五郎)は、周りが御膳立てをして雰囲気を作り上げてくれた上で演じる役。だから、“宗五郎”、“新三”、“道玄”(『加賀鳶』)、“筆幸”(筆屋幸兵衛)という順に演じるべき」と本に書いています。『魚屋宗五郎』は以前、巡業(平成27年11月)で勤め、市井の人物の演じ方を勉強しました。『髪結新三』では、白子屋お熊と下剃勝奴を勤め、父の新三を傍で見て、いつかは新三を勤めたいという思いが募りました。

 新三は、上総無宿の入墨者という小悪党の雰囲気を大事にしつつ、お客様に爽快な気分で観ていただくのが、演じる上で一番重要なポイントだと思います。また、江戸に生きる人物になれるように、髪結いの手順も流れるようにできないといけません。入墨者という陰の一面と、市井の職人として生きている一面の両方を表現したいです。ただ、新三も大家には敵わなかったんでしょうね。「大家さんには敵わねぇや」というところは、愛嬌があって面白いです。
 「永代橋」では、黒御簾の「吹けよ川風」の唄で新三がパッと傘を開いて去って行きますが、黒御簾の音楽が聞こえてくるだけで、本当の風が吹いているような感じがします。各場の演出がよく考えられていて、黒御簾音楽も聴きどころです。

 父の新三は江戸の粋そのもので、台詞廻しもよく耳に残っています。役として生きるということは、役者として本当に究極の目標です。幕が開いてから閉まるまで、父は“生きている新三”を演じています。今回は、そうした父の芸の継承を目標に臨みます。また、五代目、六代目は、河竹黙阿弥が描いた江戸の情緒を残そうとして、とても苦労したと思います。それが伝わって、現代でも江戸の情緒を残そうというスピリットがこの作品に込められています。五代目、六代目の心意気も大事にしたいです。

 『増補忠臣蔵』は中村鴈治郎家にとって大切な演目であると、お聞きしています。両作品が同時に上演されることは珍しいので、是非注目していただきたいです。

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 上方歌舞伎の中村鴈治郎家―成駒家―と江戸歌舞伎の尾上菊五郎家―音羽屋―、それぞれの“四代にわたる芸の継承”をどうぞお見逃しなく。

≪中村鴈治郎が3月歌舞伎公演『増補忠臣蔵』への意気込みを語りました≫

3月歌舞伎公演は、3日(土)から27日(火)まで
12時開演
但し、16日(金)・23日(金)は
午前11時30分開演、午後4時30分開演の2回公演です。
(10日(土)・11日(日)は休演)

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