歌舞伎公演ニュース

2018年2月7日

中村鴈治郎が3月歌舞伎公演
『増補忠臣蔵』への意気込みを語りました

 3月歌舞伎公演は、“芸の継承”をテーマに、『増補忠臣蔵(ぞうほちゅうしんぐら)』『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』を上演します。

 『増補忠臣蔵―本蔵下屋敷―』は、義太夫狂言の名作『仮名手本忠臣蔵』九段目「山科閑居」の前日譚を描いています。明治初期に人形浄瑠璃で上演されていた本作を大歌舞伎で初めて上演した時、主人公の桃井若狭之助を初代中村鴈治郎が勤め、好評を博しました。その後、二代目鴈治郎がたびたび演じ、三代目鴈治郎(現・坂田藤十郎)も手掛けた桃井若狭之助を、当代の鴈治郎が初役で勤めます。
 公演に先立ち、中村鴈治郎が意気込みを語りました。



中村鴈治郎

 初代鴈治郎は十数回、祖父(二代目)は二十数回も上演を重ねて、父(坂田藤十郎)に受け継がれてきた作品と知り、その上演回数に驚いています。しかも二代目は、角書に「玩辞楼(がんじろう)十二曲の内」と付けて上演したことがあり、「玩辞楼十二曲」には含まれていませんが、それくらいの気持ちで勤めていたんでしょうね。この作品がとても好きだったのかもしれません。本当に鴈治郎家に縁のある芝居だと思います。

 『仮名手本忠臣蔵』を知っているほうが楽しめる作品ではあります。いわゆる九段目の「エピソード ゼロ」みたいな(笑)。加古川本蔵に虚無僧姿の変装を勧め、高師直邸の絵図面を渡したのが若狭之助であるという筋立てです。もちろん、九段目をご存じない方にも楽しんでいただける工夫も検討しています。

 本当に初代の好きそうな、役者本位で書かれている芝居だとつくづく感じます。「自分だけ見てよ」と思って演じるのが多分初代の芸だったと思います。それが嫌らしくなく、お客様に受ける演技が満載の芝居です。
 父が演じた時(平成11年7月大阪松竹座)も、祖父とは似て非なるものだったかもしれません。ですから、初めは父の模倣になりますが、私なりに演じていこう、という意識は持っています。“瞬間湯沸かし器”のような直情的な面を持ちつつ、本蔵に対しての情けもあるという点をうまく出したいです。

 今回は片岡亀蔵さんが加古川本蔵を勤めます。本蔵をできる役者が少ない現状で、将来亀蔵さんのような方がこういった役を手掛けていくことになると思うので、すごく楽しみにしています。中村梅枝さんとの顔合わせも新鮮です。

 私は、顔が父に似ていると言われますが、役柄は祖父に近いのではないかと思います。なんでもこなせる役者、脇役であっても輝いて見える、何をやってもその役に見える、役に染まる、それが自分の理想です。初代、祖父、父と本当にそれぞれ違う鴈治郎でしたが、私も皆様に「鴈治郎やな」「鴈治郎はん」と認められて、納得していただくことが、鴈治郎を継承することに繋がると思っています。

 『梅雨小袖昔八丈―髪結新三―』との組み合わせも面白いですね。時代物と世話物、どちらの芝居も楽しめる公演はとても嬉しいです。

◆◆◆


 上方歌舞伎の中村鴈治郎家―成駒家―と江戸歌舞伎の尾上菊五郎家―音羽屋―、それぞれの“四代にわたる芸の継承”をどうぞお見逃しなく。



≪尾上菊之助が3月歌舞伎公演『梅雨小袖昔八丈』への意気込みを語りました≫

3月歌舞伎公演は、3日(土)から27日(火)まで
12時開演
但し、16日(金)・23日(金)は
午前11時30分開演、午後4時30分開演の2回公演です。
(10日(土)・11日(日)は休演)

チケット好評販売中です。
国立劇場チケットセンターはこちら ≫