歌舞伎公演ニュース

2017年12月4日

くろごちゃんと行く!
『隅田春妓女容性 ― 御存梅の由兵衛 ― 』
ゆかりの地まちあるき
(東京都墨田区・台東区)

 12月歌舞伎公演で上演中の『隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)― 御存梅の由兵衛(ごぞんじうめのよしべえ)― 』は、お家の重宝や主君の娘の身請け金をめぐり江戸の俠客・梅の由兵衛が活躍する並木五瓶の名作です。くろごちゃんが東京都墨田区・台東区にあるゆかりの地をご紹介します。


梅の由兵衛(中村吉右衛門)


(⌒v⌒):みんな元気? くろごちゃんだよ! 今日は墨田区にある柳嶋妙見山法性寺に来ているよ。12月歌舞伎公演の『隅田春妓女容性』のゆかりの地をぼくと歩いてみよう!!

付き人:(パンフレットを見ながら)へえ、葛飾北斎も熱心に信仰していたんだって~。

(⌒v⌒):今日のテーマは『隅田春妓女容性』だってば! 序幕の「柳島妙見堂の場」の舞台がまさにここなんだ♪


柳嶋妙見山法性寺 妙見堂

(⌒v⌒):江戸時代、たくさんの人が参詣していたんだって。お芝居でも梅の由兵衛や由兵衛の女房の小梅、小三と金五郎、源兵衛堀の源兵衛たちが登場してにぎやかだよ。

付き人:なんだかひと騒動起こりそう……。

(⌒v⌒):ふふふ、それは見てのお楽しみかな~。そうだ、これを見て!
 


歌川広重「名所江戸百景 柳しま」(国立国会図書館蔵)

付き人:わあ、キレイだね! この絵はなに?

(⌒v⌒):歌川広重の「名所江戸百景」に描かれた妙見堂の絵だよ。手前が妙見堂、そして、奥に描かれているのが「橋本座敷の場」の舞台・料亭「橋本」!
 


歌川広重「広重画帖 江戸高名会亭尽 柳嶋之図」(国立国会図書館蔵)

付き人:こっちの絵は?

(⌒v⌒):同じ広重が描いた「広重画帖 江戸高名会亭尽 柳嶋之図」だよ。これは、橋本が手前に描かれているね。

付き人:妙見堂にお詣りした人は、ここでご飯を食べて帰るのかな。

(⌒v⌒):妙見堂から橋本座敷に舞台が移るのは、そういう人が多かったからなんだろうね。この「橋本座敷の場」では、盗まれたお家の重宝のありかがわかるよ。由兵衛も大活躍!

付き人:そうなんだ~、それは楽しみだね。 ……あっ、スカイツリー!

(⌒v⌒;):付き人さん……、だから今回のテーマは『隅田春妓女容性』だってば……!
 


十間橋から見える逆さスカイツリー

付き人:えー、でも、こういったことも「まちあるき」の楽しみだよ~。

(⌒v⌒):う~ん、それはそうだね。十間橋からは逆さスカイツリーも見られるんだね、すごいなぁ。

付き人:ねえねえ、ソラマチでお茶でもしていこうよ! 料亭の話が出ておなかすいちゃった。

(⌒v⌒):それはあとで!! さっ、隅田川に向かって北十間川沿いを歩いていこう。

♦♦♦


源森橋

付き人:ここは? 源森橋って書いてあるけどなにか関係あるの?

(⌒v⌒):北十間川は、昔は横十間川との合流点から西側が源森川と呼ばれていたんだ。そして、源森川の通称は「源兵衛堀」だったんだって!


源兵衛堀の源兵衛(中村歌六)

付 き 人:源兵衛堀の源兵衛っていう名前は、ここから取られたのかな?

(⌒v⌒):もしかするとそうかもね~。じゃあ、吾妻橋の方に歩いて行こう!

♦♦♦


付き 人:吾妻橋にとうちゃ~く! 向こう側が浅草だね。人通りが多いなぁ。
 


吾妻橋

(⌒v⌒):由兵衛の時代もこの辺りはにぎわっている土地だったんだよ。下に降りて、隅田川沿いに歩いてみよう!!

♦♦♦

付き人:結構……、歩いたね……。(地図を見ながら)ここが……厩橋だね。

(⌒v⌒):この辺りに昔「埋堀」っていう地名があったみたいだよ。「むめぼり」って書かれてる古地図があるんだ。

付き人:へえ。それで?

(⌒v⌒;):梅の由兵衛は「梅堀の由兵衛」とも呼ばれているんだよ、付き人さん……。大詰に「梅堀由兵衛の場」があるしね。

付き人:えっ、じゃあ由兵衛の家はこの辺……?

(⌒v⌒):字は違うけど、作者はこの地名を知っていて、このあたりの話にしたのかなと思いながら歩くと楽しいよね。さ、そこから上がって次の橋を浅草側に渡ろう!

♦♦♦

付き人:今、渡ったのは、(橋の名前を見ながら)……蔵前橋? 蔵前って確か二幕目の舞台だよね。小梅の弟の長吉が米屋の丁稚をしていて…。

(⌒v⌒):すごい、付き人さん! 珍しくよく覚えていたね!

付き人:珍しく……?

(⌒v⌒):江戸時代、この一帯には幕府の米蔵があって、今でも「蔵前」という地名が残っているんだ~。


浅草御蔵跡石碑

付き人:橋の袂に石碑があるよ! 「浅草御蔵跡」だって。長吉はこの辺りで奉公をしていたんだね~。

(⌒v⌒):二幕目では夫の由兵衛に対する小梅の情、そして姉に対する長吉の情が描かれるよ。この姉弟は初演時以来、一人の役者が早替わりで演じることが多いんだ~。


由兵衛女房小梅・丁稚長吉 (尾上菊之助)

(⌒v⌒):そして、ぼくたちが歩いてきたのが二幕目最後の場・本所大川端だよ♪

付き人:えっ、そうなの!?

(⌒v⌒):(やっぱり気づいてなかったんだ…)これは名所江戸百景に描かれている大川端!


歌川広重「名所江戸百景 両国橋大川ばた」(国立国会図書館蔵)

付き人:姉の元へと向かう長吉が歩いた道をぼくたちは歩いていたんだね……。なんだか感慨深いなぁ。そして、そこで長吉は……。

\(>v<;)/:わ~! ダメだよ、付き人さん!! 続きは劇場で、だよ~!

付き人:そっか、ごめんごめん。いやぁ、でも、舞台となったところを歩いてみて、なんだか『隅田春妓女容性』がちょっと身近に感じられたなぁ。ぼくも早く観なきゃ!

(⌒v⌒):この辺はいろいろなお店もあるし、散策にはぴったり♪ みんなもお散歩してみてね、新たな発見があるかも!!

~二人は隅田川沿いでお芝居に思いを馳せるのでした~
 

<くろごちゃんの歩いたルート>
半蔵門線「押上」駅から約5分 柳嶋妙見堂・十間橋 →(北十間川沿いを西に約15分)→ 源森橋 →(さらに北十間川沿いに約5分)→ 吾妻橋 →(隅田川沿いを南に約20分)→  蔵前橋

(⌒v⌒):ソラマチや浅草などもあって、途中で立ち寄りたいカフェやお店もたくさん! 隅田川沿いは風情があってゆっくり歩くのにぴったりだよ。

付き人:皆様も国立劇場12月歌舞伎公演『隅田春妓女容性』に思いを馳せながら、散策してみてください。公演をさらに楽しめること間違いなしです!

(⌒v⌒):(たまには真面目なことも言えるんだ……。)

 

12月歌舞伎公演は、3日(日)から26日(火)まで
12時開演 但し、8日(金)・15日(金)は午後4時開演 

好評販売中!
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公演詳細は↓↓↓