歌舞伎公演ニュース

2017年11月30日

尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が
初春歌舞伎公演への意気込みを語りました

 平成30年の幕開けを飾る初春歌舞伎公演『世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)』。中世以降語り継がれてきた「小栗判官」伝説を題材とした歌舞伎作品の決定版と言われる『姫競双葉絵草紙(ひめくらべふたばえぞうし)』を新たに補綴し、初春にふさわしい華やかさと楽しさに溢れた舞台をご覧いただきます。
 公演に先立ち、尾上菊五郎、中村時蔵、尾上松緑、尾上菊之助が意気込みを語りました。



(左より)尾上菊之助、中村時蔵、尾上菊五郎、尾上松緑

尾上菊五郎
(盗賊風間八郎)

 国立劇場のお正月のお芝居ではこれまで色々と勤めさせていただいてきましたが、今度は風間八郎(かざまはちろう)という盗賊の役です。
 風間は、実は新田義貞(にったよしさだ)の子孫で、足利幕府の転覆を目論む人物ですが、小栗判官の父親を殺害してしまいます。仇討ちの要素も入ったお芝居ですので、大悪党として演じてみたいです。
 お客様に「今年も歌舞伎を観ながら一年を過ごそう」と思っていただけるよう、通し狂言で分かりやすく、かつ、お正月らしい明るくて面白いお芝居を作っていければと思います。もちろん、お客様にあっと驚いていただけることも考えています……(笑)。
 毎年、国立劇場でのお正月は楽しみにしていますが、平成30年も「初春歌舞伎は国立劇場から!」と、お客様と共にワクワクしながら新年を迎えられれば幸いです。
 

  

中村時蔵
(執権細川政元・万屋後家お槙) 
 

  17年前の『小栗判官譚』(平成12年10月、国立劇場)では、小栗判官を勤めさせていただきました。その時、細川政元(ほそかわまさもと)は(五代目中村)富十郎のお兄さん、お槙(まき)は(九代目沢村)宗十郎のお兄さんでした。お兄さん達のなさった二役を、私が今回勤めるようになったのかと、感慨深い思いでおります。
 政元とお槙は両極端な二役です。その上、政元が白拍子に化けている場面では、白拍子姿から立役の姿に一気に替わらなければなりません。台本では1~2行で書かれていますが、実際に演じるのはとても大変で、どうしようかと考えている最中です(笑)。政元に化けた風間を見顕す場面もあり、菊五郎のお兄さんのスケールの大きさに負けないよう、一つの挑戦と思って勤めたいです。
 お槙は、昭和25年(9月、大阪歌舞伎座)に私の祖父(三代目時蔵)も勤めています。宗十郎のお兄さんや祖父の写真などから、私なりのお槙を作っていきたいです。
  

  

尾上松緑
(漁師浪七・横山太郎秀国) 
 

 今回、漁師浪七(りょうしなみしち)と横山太郎(よこやまたろう)という二役を勤めさせていただきます。浪七は小栗判官のために命を懸ける役ですが、お客様に喜んでもらえるように派手な立廻りの場面にしたいです。
 浪七はいわゆる忠臣で、気の良い役だと思います。坂田藤十郎のお兄さんや市川猿翁のお兄さんの浪七が印象に残っており、そうした先輩方のエッセンスを取り入れたいです。また、国立劇場で上演した『妹背山婦女庭訓』(平成8年12月)で菊五郎のお兄さんが勤められた猟師芝六や、『椿説弓張月』の高間太郎などのイメージがこの役に近いかと思います。こうしたイメージを自分の中から引き出して役作りをしていきたいです。
 もう一役の横山太郎は最後に登場して、皆さんと共に幕を締める役です。最後のハッピーエンドに向けて、役を作っていこうと思います。


  

尾上菊之助
(小栗判官兼氏) 
 

  平成29年のお正月も国立劇場で迎えさせていただきましたが、また来年も国立劇場で一年を始められることを本当に嬉しく思います。曲馬乗りや熊野権現の霊験によって病が治る奇跡など見せ場が多く、お正月らしい華やかな舞台にしたいです。
 小栗判官は馬頭観音の威徳を持った神懸かり的な馬術の名手です。錦絵から想像しても、華があり、歩く毎に花の舞うような、きらびやかな人だったのではないでしょうか。風間に父親を殺された判官は、紛失した重宝と風間の行方を詮議します。その執念を貫いていければと思います。時蔵のお兄さんも以前に判官をなさっていますので、お話を聞きながら勤めたいです。
 国立劇場の初芝居は、大凧をはじめロビーの飾り付けも特に華やかです。初日には鏡開きを行い、お客様にお酒を振る舞います。ぜひお正月の気分を味わいに、国立劇場にご来場いただければ幸いです。

 

◆◆◆

 歌舞伎の面白さを凝縮した見せ場が全篇にわたって設けられている『世界花小栗判官』。
 スケールの大きな人物像が強烈な印象を与える風間の暗躍を中心に、荒馬・鬼鹿毛(おにかげ)を鮮やかに乗りこなす馬術の名手・判官の曲馬乗り、風間と政元との虚々実々の駆け引き、照手姫の危機を救う元・小栗の家臣・浪七の命懸けの忠義と壮絶な立廻り、離れ離れになっていた判官と照手姫の邂逅がもたらす長者の後家・お槙と娘・お駒の悲劇、熊野権現の霊験が判官と照手姫に起こす奇跡など、最後まで舞台から目が離せません。
 毎年ご好評をいただいている鏡開きや手拭いまきをはじめ、お正月ならではのおもてなしで皆様をお迎え致します。ご来場を心よりお待ちしております。


初春歌舞伎公演は、1月3日(水)から27日(土)まで
12時開演 但し、12日(金)・19日(金)は午後4時開演 

チケットは12月6日(水)午前10時より予約開始
国立劇場チケットセンターはこちら

公演詳細は↓↓↓